毎年のように日本各地が地震、豪雨、台風等の災害被害に見舞われており、現在の日本で想定される最大級の災害として南海トラフ巨大地震、首都直下地震が挙げられる。内閣府は「令和元年版防災白書」において、防災対策を維持・向上するためには国民全体で防災意識を共有することが必要だと述べており、今後防災・減災の関心がより高まると見られる。今回当社は防災・減災領域における新規事業戦略にフォーカスした分析・推計を行った。今後の防災・減災領域の発展や防災・減災領域における事業リーダーの皆様の一助となれば幸いである。
防災・減災プロダクト・サービスの全体像と有望領域の絞り込み
防災・減災市場は総額でおよそ4-5兆円の規模と見積もられ、主要プロダクト・サービスはハード防災のほかにコンサルテーション、情報サービス、モニタリング、通信サービス、アナリティクス、オートメーションサービス、防災関連アウトソースにわたる。新規事業創出においては、第一段階としてそして各カテゴリーを規模と成長性、プレイヤーの成長性・収益性の観点から分析しプロダクト・サービスの魅力度を整理ところから始める。
有望サービスで必要なケイパビリティの整理・評価
ケイパビリティ整理の際は(企画、商品開発、オペレーション等の)プロセスチェーン上の主要ケイパビリティをマッピングし、有望プロダクト・サービスにおける競争優位性を左右する要素を選定することが有効。また、優先領域決定時には、「自社の事業アセットの評価」と「既存プレイヤーの強み」の二つの軸で有望プロダクト・サービスを評価可能である。例えば、自社アセットが複数要素で強みを有し、既存プレイヤーには強みがない場合、その領域は独自進出が可能な優先領域である。一方で自社の強みが限定的で既存プレイヤーに強みがある場合、M&Aが検討され得る。
優先領域決定後は、参入時の具体的なビジネスモデルやパートナーシップ候補の検討に移る。具体的には、優先領域のマネタイズモデル、商流、プレイヤーの構造整理、参入時のオプションとそのメリット/リスク分析、取り組むべきプレイヤーや今後のアクション検討を行う。またパートナーシップ候補の選定時には、パートナー企業の提供サービス、プロダクト・技術優位性、自社とのリレーションの三点に基づく評価に加えて、パートナー企業の財務状況や成長性など定量分析も行い総合的に判断をすることが更に効果的である。
多角化や新規事業開発は自社内で行うことが人的リソース・時間的制約の観点で難しいことが多いと思われます。我々は数多くの業界において新規事業開発の検討・サポートを行ってきた実績がございますので、興味を持たれた企業リーダー様、ご担当者様は是非お気軽にご相談いただければ幸いでございます。
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