TOP›コンサル業界トピックス›マッキンゼーの転職、年収の実情を元マッキンゼーコンサルタントが解説
コンサルティング業界において世界中で一流とよばれるマッキンゼー・アンド・カンパニー。そこで1年前までマッキンゼーにおいてマネージャーとして活躍してきた方に匿名を条件に取材に応じていただきました。
マッキンゼーにおける昇進の現実や、転職者を面接する際に見ているポイント、他ファームとの違いに率直に語っていただきました。
普段はなかなか明かされない内容を、NGなしで回答いただいたのでぜひご覧ください。マッキンゼー志望ではない人にとっても役に立つ内容になっています。
マッキンゼーはいわゆる戦略コンサルティングファーム大手の1社ですが、特徴としては、特にグローバルで活躍するトップマネジメントが持つ経営課題に対してコンサルティングを提供することにあります。
そのため、各国のマッキンゼーのオフィスの連携は非常に円滑で東京でのプロジェクトチームが組まれる際も半数が外国籍のメンバーであるなどということは極めて日常的です。
この点は日本における他の戦略コンサルティングファームと大きく異なる点だと思います。
コンサルティングファームの競争力の源泉は人材ですが、極めて優秀な人材が集まっているということが一番だと思います。その背景には3つの強みがあると考えます。
1つ目は、クライアントへのベストな価値の提供に拘り抜くカルチャーがあると思います。マッキンゼーだけが提供できるレベルのものを出す、Only McKinsey can doであることへの拘りはどのパートナーも強く持っています。
2つ目に人材育成への注力です。1つ目に挙げたクライアントに提供する価値への拘りだけでなく、ファームの中で働き成長するコンサルタントの人材育成への投資を惜しまない文化と仕組みがあることが、コンサルティングファームの競争力の源泉としての人材の差別化に繋がっていると思います。
3つ目にプラットフォームとしての魅力がベストな人材を惹きつけていると思います。1つ目、2つ目の点の積み重ねの結果ではありますが、現在となってはグローバルで数万人規模の優秀な人材が多数集まり、また卒業後もグローバルの各分野のリーダーとして活躍するという、グローバル人材のハブになっていることが、また新たに優秀な人材を呼び込むという好循環につながっていると思います。
前述の通り、マッキンゼーの特徴は、特にグローバルで活躍するトップマネジメントが持つ経営課題に対してコンサルティングを提供することにあります。
グローバル企業におけるトップマネジメントの課題に向き合った結果として、プロジェクトのテーマが全社デジタル変革になることもあれば、組織変革になることもありますし、抜本的な全社コストダウンになることもあります。
このため、個別のプロジェクトテーマだけ見ると、他社、例えばアクセンチュアが行うデジタル変革と重なる部分があり、デロイト トーマツ コンサルティングが行う実行支援と重なる部分があるようにも見えるかもしれませんが、トップマネジメントの経営課題の抽出と解の結びつけに強みを持っているマッキンゼーはその企業全体としての問題解決に強みがあると思います。
インダストリーや機能については、ほぼ全てのカテゴリーに専門とするパートナーがおり、前述の強みを用いて独自の価値を提供しています。
各社の単価はテーマによっても異なりますし、配置するチームサイズによっても異なるため、単純な比較はできませんが、マッキンゼーは戦略コンサル業界でも最も高いといわれています。
それは、前述の、「マッキンゼーだけが提供できるレベルのものを出す、Only McKinsey can doであることへの拘り」と関わっており、それだけ他者には出せない価値を出すことを常時求められる環境ということを意味しています。
まずパートナーと非パートナーの2つの層に分かれます。非パートナーについては、ビジネスアナリスト、アソシエイト、エンゲージメントマネージャーの役職があり、パートナーについては、アソシエイトパートナー、パートナー、シニアパートナーの役職があります。
新卒で入社すると、ビジネスアナリストから始まり、未経験中途採用の場合は経験年数にもよりますが、アソシエイトから始まります。そこから概ね1.5年~3年のスパンで1役職ずつ昇進することが求められます。
人、年度、オフィスによってボーナスを含め給与の幅も大きく変わるため、一概には言えませんが、東京オフィスだとアソシエイトで1,200万円~1,500万円程度、エンゲージメントマネージャーで1,500万円~2,000万円程度かと思います。
この水準は他の戦略コンサルティングファームと大きく変わらないと思います。パートナー層になると個々にばらつきが大きいので一概には言えませんが、シニアパートナーになると1億円を超える人もおり、アップサイドという意味では他社よりも大きいと言えるのではないでしょうか。
まず、マネージャーになる前に、ジュニアマネージャーとして、マネージャーの役割を複数のプロジェクトで担うことを通じて、マネージャーとしての力が十分にあることを実務で示す必要があります。
ただ、ジュニアマネージャーの役割を開始する前に、その準備が十分できているかということを複数のプロジェクト。複数の上司から評価されます。
この時の評価というのは、1コンサルタントとしての推進力、問題解決力だけではなく、チームメンバーの育成やクライアントとの関係構築など様々な項目で評価され、最低限のスキルがあることに加えて、プロジェクトをリードする立場になる際に強みとできるものが醸成されているかなど判断されます。
最近の戦略コンサルは昔ほど激務ではなくなったとの声も聞かれますが、激務である職種であることには変わりないと思います。クライアントからすると社内ではどうしようも解決できない経営課題に対して高いフィーを払って依頼しているわけです。
従って、当初の計画通り解決できるプロジェクトというのはそうそうありません。かといって、問題解決できませんでした、ということではコンサルタントとしての価値が出ませんので、妥協できない勝負所という局面はあり、その際はいわゆる激務モードで働きます。
朝の3時帰りで翌日7時半スタートというような日が一週間続くこともありますし、プロジェクトに一日あるかないかですが、短時間の仮眠のみでほぼ24時間稼働で追い込むこともあります。
ただ最近は、そういった激務モードが極力発生しないように、パートナーやオフィスも工夫を凝らしており、夜の21時や22時に終了できる日も徐々に増えていますが、そういった平時の日は感覚的には1週間の半分の日といったところでしょうか。
メリハリをつけて働くことを好むメンバーが多いので、土日に関してはよほどのことがない限りは完全にオフになることが多いですね。
端的には将来のグローバルリーダー候補であるかということかと思います。従って、国内大学出身と海外大学の比率も概ね半々になっていますし、国内大学出身者でも海外留学経験などがある人に内定が出る傾向があります。
加えて、グローバルリーダー候補と言えるだけのベースのロジカルシンキングや学力は求められるという観点で、国内大学であれば、東大・京大をはじめとした旧帝大、私立であれば早稲田・慶応の出身の方が入社されるケースが多いです。
尚、グローバルリーダーのポテンシャルがあるならば、国境を越えたチャレンジをいくつかやってきているはずだ、従って、英語力は相手の考えを理解し、自分の考えを伝える上で最低限は有しているはずだ、という前提で評価される場合が通常です。
よく「英語はTOEICで何点取ればいいですか?」という質問を聞きますが、本質的には英語の勉強をすれば良いと言う訳ではありませんし、実際、英語力が足りなくても、他の条件を充足していれば、入社までに英語力を改善する条件付きでの内定が出ることもあります。
入社数でいうと中途(未経験)も新卒も大きくは変わらないと思います。採用基準も将来のグローバルリーダー候補であるかという点は共通で、面接の評価基準も大きくは変わりません。
ただ中途採用である分、ビジョンだけでなく実際にグローバルに行動してきたかという点はより具体的に問われるかと思います。
従って、出身企業のパターンとしてはグローバルに活躍できる企業として、総合商社、メーカー、GAFAなどのグローバルIT企業群、中央省庁などの出身の方で30歳前後の方が多いかと思います。
学歴としては、新卒と同様に、国内大学出身者であれば、東大・京大をはじめとした旧帝大、私立であれば早稲田・慶応の出身の方が入社されるケースが多いです。
中途の半数弱はMBA出身者ですね。ただ、入社にMBAが必須条件ということではなく、グローバルリーダー候補であることを示す上で、実際にグローバルに出て活躍してきたという点で海外のトップMBA出身ということは一つの証左になりますので、海外のトップMBA出身もそれなりの割合いるということになります。
マッキンゼーは年齢での制限はあまり気にせず、グローバルリーダーとしてのポテンシャルを有する方、あるいは40歳近くになるとその実績とスキルを有する方であれば、未経験でも採用しています。実際に40歳を超えて戦略コンサル未経験で入社された人もいます。
東京オフィスはここ数年継続してプロジェクト数や規模が大きくなっており、採用数もそれに応じて増えています。
デジタルマッキンゼーは、マッキンゼーの中でデジタル分野に関する課題発見、課題解決を専門とする部署です。前述の通り、マッキンゼーの特徴として、グローバルで活躍するトップマネジメントが持つ経営課題に対してコンサルティングを提供すること、がありますが近年の経営課題の把握と解決にデジタル分野での深い知見は欠かせない要素の一つになっています。
そこで、マッキンゼーチームとしてワンストップでトップマネジメントの経営課題からデジタル領域の解の構築まで一気通貫でサービスを提供するために、ジェネラリストコンサルタントとデジタルマッキンゼーのコンサルタントの混成チームでコンサルティングを行うこともあります。
尚、デジタルマッキンゼーには、デジタル分野の課題把握、課題解決の設計を行うコンサルタントもいますが、実際に解となるデジタルツールを構築するべくコーディングをするエキスパートも在籍しています。
マッキンゼーインプリメンテーションは実行支援を専門とした組織になります。前述の通り、グローバル企業おけるトップマネジメントの課題に向き合った結果として、プロジェクトのスコープが実行支援やクライアント組織におけるケイパビリティ開発に至ることもあります。
その際に、マッキンゼーチームとしてワンストップでトップマネジメントの経営課題から実行してインパクトを実際に創出するまでの一気通貫でサービスを提供するために、ジェネラリストコンサルタントとマッキンゼーインプリメンテーションのコンサルタントの混成チームでコンサルティングを行うこともあります。
よく言われていることは、マッキンゼーに入社することがゴールになっている人は伸び悩むと言われています。
戦略コンサルティングも何かの問題解決をするためのスキルの一つに過ぎないわけですが、そのスキルを用いて何を成し遂げたいのかが明確になっている人は、厳しい戦略コンサルティングの実務現場の中でも、自分を見失わず、妥協せず努力を続けることができ、結果として大きく成長し活躍される傾向にあるかと思います。
相当に幅が広いので一概には言えませんが、大企業の幹部に転職する従来からのパターンに加えて、近年はスタートアップ企業のCXOや自身で起業するパターンがかなり多くなっているように思います。
戦略コンサルは一見華やかな世界に見えますが、決して楽ができる世界ではありません。ですが、厳しい努力を積み重ねた先に、グローバルで大きく成し遂げたいことがある人にとっては非常にエキサイティングな場所だと思います。
また、自分の可能性は自分で正しく見えるわけではないと思います。従って、挑戦したい想いがあるのであれば、自分の可能性をより精度よく見定めるためにも、第3者を巻き込みながら、正しい努力をして、挑戦してみるということが大事ではないでしょうか。
マッキンゼー・アンド・カンパニーをはじめ戦略コンサルティングファームへの転職支援をSTRATEGY:BOOTCAMPでは行っております。
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