TOP›コンサル業界トピックス›コンサルから ベンチャー への転職の実情
コンサルティング業界のネクストキャリアとして ベンチャー 企業への転職を考えている方も多いのではないでしょうか。
コンサルとしてある程度充実はしているが新しい環境として事業会社、それも小さい会社でチャレンジしてみたいという想いからでしょう。
周りに起業している元コンサルタントがいてベンチャーに関心があるものの、起業して0からやるほどのリスクはなかなかとれないという方にとって、ベンチャー企業への転職は1つのキャリアの選択肢となり得るはずです。
今回はコンサルティング業界からベンチャー企業への転職について実際の事例をもとにお話しさせていただきます。
コンサルティング業界を経てベンチャー企業を立ち上げている方は多数います。DeNA(ディー・エヌ・エー)の南場智子氏が代表的です。
元コンサルタントが立ち上げた会社は、同僚を誘うケースや元コンサルタントへの理解があることから、コンサル出身の転職者が多くいらっしゃいます。
最近だとDeNA出身の秋元里奈氏が運営する食べチョクに、マッキンゼー・アンド・カンパニー出身の山下麻亜子氏が転職しました。その後、取締役に昇進しています。※1
急成長ベンチャーとして注目されている株式会社SmartHRの取締役・COOの倉橋隆文氏はマッキンゼー・アンド・カンパニー、楽天を経てSmartHRに参画しています。※2
ラクスルの取締役COOである福島広造氏はボストン・コンサルティング・グループを経て、ラクスルの経営企画部長として入社し、COOを現在されています。※3
また、変わったケースとして株式会社A.L.I.Technologiesの片野大輔氏はボストン・コンサルティング・グループ出身で、YCP創業後、エンジェル投資先だったA.L.I.Technologiesに参画後、COOを経て代表取締役となっています。※4
他にもアクセンチュアやベイン・アンド・カンパニーやA.T. カーニーなどの出身者のCXO(経営幹部ポジション)は多数います。
※1 【社員紹介】マッキンゼーから食べチョクへの挑戦。コンサルティングに没頭していた私が転職を決めた理由。
※2 COO仕事の流儀 SmartHR 倉橋 隆文 経営のプロとして持続的に成長し続けるチームをつくる
※3 COO仕事の流儀 ラクスル 福島 広造 COOは「未完の世界遺産」を築く仕事人
※4 挑戦の前に大切なこと、それは成功体験。投資先の理念に惹かれスタートアップに飛び込んだ投資家の視点
投資銀行や会計士出身者は財務経理周りから資金調達まで役割がなんとなくわかりやすいと思います。
ではコンサル出身者が求められる理由はなんでしょうか。理由は多々あります。
例えば、ベンチャーでは創業社長が全速前進で事業を立ち上げてきたものの、社内体制やオペレーション周りがまったく整備されておらず、組織が大きくなるにつれロスが大きくなってきます。
現場レベルの細かいオペレーション改善までサポートすることはコンサル出身者の仕事としてわかりやすいでしょう。
また、経営企画であれば、中長期の経営計画を作って会社の未来を描く仕事があります。創業社長は夢や実現不可能なことを語りがちであるため、現実的なところに落とし込むのが経営企画の手腕が問われるところです。
他にも経営周りのサポート全般を頼まれることが多くあります。
オペレーション周りまでコンサルタント時代にやっていた方は想像がつきやすいかもしれませんが、ベンチャーでは手を動かす必要があります。COOやCEOといった役職に関係なく手を動かします。
スマホのみで仕事をするといっているZOZOTOWNを創業した前澤友作氏のようなパターンはあくまで企業が大きくなってからです。
雑務を含めあらゆることを役職に限らずしていかなければなりません。もちろん人手が足りていないということもありますが、COOをはじめとする幹部陣が手を動かし汗水流しベンチャー企業に転職して成功するケースているのは現場の士気を高めることに意外と効果的なのです。
ベンチャー企業に転職して成功するケースはどういったパターンでしょうか。明確に言えるのは、コンサルタント時代よりもやりがいが増えたと思えるケースです。
年収で比べるとベンチャー企業の役員でもコンサルティング業界のパートナークラスの年収を超えることは難しいです。
年収ではなく、やりたかったこと、働く中でやりたいと思えるようになったことを仕事にできることが最大の報酬といえます。
ワークライフバランスについては、一部の企業を除き、原則ハードワークです。コンサル時代と同様にハードワークをこなすことが転職後の成功に繋がります。
コンサルティング業界出身の人は、転職先からも、頭が切れ、熱心に働くという印象を抱かれる傾向にあります。
ベンチャーで活躍できる元コンサルタントについては先に述べたようにハードワークをして、細かいことにも嫌な顔をせず汗水流して働く人です。
そして最も大事なのが当事者意識です。当事者意識については、転職前でもコンサルタントの方はある程度理解しているかもしれませんが、外から見るのと実際に実行するのとでは大きく差分があります。
世間一般の大手企業とは違い、意思決定に長い時間をかけられないので、自分が選んだ道をとにかく正解にすべく努力をする必要があります。
ベンチャー企業では施策のスピード感と施策数で他社と大きく差がつきますので、ある程度の再現性を確保しつつも事業をどんどん推し進めなければなりません。
事業を推し進めるのが上手い人は必ずしも頭が切れる人だけではないので、非コンサル出身で活躍している事業家の方をご覧になるとよいでしょう。
コンサルティング業界から転職する際に、CXOで入りたいというご相談をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からいうとCXOとして入ることは年々難しくなってきています。ベンチャー経験がない人が取締役をはじめ役職に就くことは、企業側、転職者側にとって良くないことが多いです。
フィットするか分かった状態、もしくは、転職して成果を出した状態で役職が上がっていくことがとても望ましいと言えるでしょう。
例外として創業直後のベンチャーで人が5人未満のところで、社長が元々の知り合いの会社などは役職つきで参画させてもらうことも珍しくありません。
ベンチャーと比べると、コンサルティング会社の年収水準は非常に高く、キャッシュとして受け取る報酬は転職時にほとんどの場合下がります。
コンサル時代に一度上げた生活水準を、ベンチャー転職で下げるということは誰しも抵抗を感じ、また実際に給与が下がるとストレスを強く感じることでしょう。
その一方で、ストックオプションで大きな報酬を受け取る可能性はあります。優秀な人材を繋ぎとめるために、ストックオプションを付与するということは、ベンチャーでは往々にしてあります。
ストックオプションによる具体的な報酬額については、日本取引所グループの新規上場会社一覧のⅠの部に記載があります。たとえ1%の保有であっても、時価総額1,000億円のベンチャーで10億円の価値があるため、非常に高い期待を持てるでしょう。
とはいえ、ストックオプションは不確実性が高く、行使までに時間がかかりすぎて流動性が低いことは注意すべき点です。
ベンチャーへの転職時の懸念点として、倒産リスクも頻繁に挙げられます。
日経ビジネスによると、ベンチャー企業が創業してからの生存率は、5年後で15%、10年後で6%となっています。ベンチャー企業は大企業に比べて資金力が大幅に劣ることが多く、経営体力がありません。
加えて昨今のコロナ禍によって、足元の売上は激減し、投資も受けられず、資金繰りが急速に悪化したというケースもよくみられます。不測の事態に対処できず、不況の煽りを受けて倒産してしまったベンチャー企業は数多あります。
コンサル時代は考えもしなかった自社の倒産リスクにも目を向けて、ベンチャー転職をしなければなりません。
前述のような給与の低下や倒産リスクと向き合う上で、どのようにベンチャー企業を選べばよいでしょうか。
第一に重要なのは、ベンチャー転職の真のゴールを定めることです。「画期的なアイデアや技術で新サービスを展開し社会にインパクトを与えたい」、「コンサル時代に勝る裁量権と当事者意識で事業を推進したい」など設定するゴールは人それぞれです。
デメリットやリスクもあるベンチャー企業への転職を後悔しないためにも、真のゴールと合致した働き方ができるかは、十分に見定めるべきです。
そしてその際には、社長や社員の声だけではなく、投資家や転職エージェントのような第三者の幅広い意見を参考にすると良いでしょう。 社長が優秀であり、企業風土が自分に合っていれば、理想的な職場環境です。さらに第三者視点で、経営の健全性や事業の将来性の評価が高ければ、より信頼できる転職先といえます。
コンサルからベンチャーへの転職は不安がつきものです。自分に合った転職先を選ぶにはどうすればよいか、どのような人が転職できるのか、ベンチャー転職後のキャリアパスはどのようなものがあるのか、など多岐に渡ると思われます。
当社運営のSTRATEGY:BOOTCAMPではコンサルティング業界からベンチャーへの転職事例をご紹介できます。そして紹介に加えて、コンサルタント目線でのキャリアパスのサポートを手厚くします。
自分の真のゴールを理解することや、ベンチャーというポストコンサルの選択肢を深く理解するためにも、第三者からの意見は非常に有益であると考えます。是非一度お気軽にご相談ください。
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