TOP›コンサル業界トピックス›メーカーからコンサルティング業界に転職したい人が注意すべきこと
トヨタ(トヨタ自動車)や日産(日産自動車)をはじめとする自動車産業、ソニーやパナソニック、三菱電機をはじめとする電機メーカー、また花王やユニ・チャーム、資生堂といった消費財メーカーなど日本にはメーカーが多く存在します。
製造業はかつて日本の競争力を示す産業として世界でも競争力がありました。現在では、世界の時価総額ランキングで見かけるのはトヨタのみになっています。
その一方、メーカー出身者がコンサルティング業界に転じて成功している例も増えてきました。A.T.カーニーの日本代表であった梅澤氏は日産自動車からMBAを経てコンサルティング業界に転じました。
若手でもメーカー出身のコンサルタントが数多くいます。日立製作所や富士通などの大企業からもコンサルティング業界への転職者は増えています。
今回はメーカーからコンサルティング業界(ここでは主に戦略コンサルティング業界について言及)の転職の実情についてご紹介します。
メーカーから戦略コンサルティング業界への転職を果たした方に良かったことを聞くと、以下の3点がよく挙げられます。
1. 転職時に年収アップできた
2. 色々な企業のことを知ることができている
3. 成長できる環境がある
1点目に関して、メーカーはトヨタやソニー、キーエンスといった一部の企業を除きコンサルティング業界よりも年収の低い傾向にあるため、転職した時点で年収アップを狙えるケースが多々あります。
コンサルティング業界の年収は、一番下の役職として用いられる名称である”アナリスト”のポジションでも500万円以上、一つ上のポジションである”アソシエイト”や”コンサルタント”になると1,000万円を超えることもあります。
2点目について、メーカーといっても1つの企業しか知らなければ、その企業でしか通用しない知識に集中してしまう恐れがあります。一方でコンサルティング業界では幅広い企業を見ることができるので、業界横断的に通用する知識を習得することができます。
そうした知識や、コンサルティング業界での経験を通じて、再度メーカー側に転職したときに活用できるスキルを身に付けることができるのです。
3点目について、成長環境に関する裁量があり、チャレンジングな業務を課す企業はもちろんメーカーにも多く存在します。一方、コンサルティング業界は、業務やカルチャーの特性上成長志向の方が相対的にメーカーより多いので、成長を求める方にとっては良いかもしれません。
メーカーでの仕事が既存の顧客の営業ばかりでつまらない、地方配属で刺激がないといった方はコンサルティングファームへの転職は良いきっかけになるかもしれません。
メーカーからコンサルに転職してデメリットになる点は仕事のスピード感や求められる質についていけなくなる場合があるということです。
コンサルティングファームはクライアントワークのため、常に高いアウトプットが求められ、成果を出さなければいけません。
成果主義のカルチャーに前職とのギャップを感じ、ついていけなくなる人もいますので、自分の雰囲気と合わないと思った方はコンサルティングファームへの転職は避けたほうが良いでしょう。
さて、メーカーといっても様々な業態があります。自動車を作るメーカーから、BtoB商流メインの化学品メーカー、小売でのビジネスを主戦場とするお菓子メーカーなどメーカーといってもニーズは様々です。
端的にコンサルティング業界でニーズのあるメーカーはどのようなものかというと、コンサルティング会社の顧客となりえる領域の企業です。
コンサルティング業界にとって、メーカーは重要な顧客であり、ITに比べ利益率が低いメーカーにおいて戦略コンサルなどの提案、および施策実行によって変わるインパクトはとても大きいものがあります。
メーカー勤務の方でも、他の領域や商流になるとまるでわからない方もいると思いますが、とある業界での知見を別の業界に活かすということはよくありますので、できるだけ多くの業界の知識をもっておくと良いでしょう。
メーカーからコンサルティング業界に転職を希望する際に、学歴や所属している企業名は見られるのはもちろんのこと、メーカーでどのような経験を積んだかが重視されます。
メーカー出身者のなかで、戦略コンサルティング業界に転職して活躍しているのは、財務経理、経営企画などの職種が多いです。
コンサルティング事業ではPL(損益計算書)の改善を求められることが多いですが、その中でも財務経理などは、実際にPLを触っているので、経験が活きると言われています。
また、調達部門などの経験はコスト削減のコンサルティングを行う際に重要な経験の1つです。
一方、多くの人が従事している営業職もコンサルティング業界への転職が望めます。採用されている理由としては、経験ではなくポテンシャルを見込まれている場合と、営業で培った業界独自の知見を評価される場合があります。
営業という仕事においても、会社から与えられた営業先を訪問する“作業”を単にこなしているだけの人と、新規顧客開拓や、既存顧客の受注額を大幅にアップさせた人とでは評価が変わってきます。そして自らの携わる業界の商流を理解し、営業先と関係構築してきた実績は、転職後のクライアントとのスムーズな商談を期待させます。
コンサルティング業界への転職する/しないにかかわらず、現職で評価を高めておくことは自分の市場価値向上において重要です。市場価値を意識しておくことで同業界の企業から高い役職や年収でヘッドハントされることもあります。特に日系企業勤務で高い成果を出している方は、同業界の外資系企業からヘッドハントされるケースがしばしばあります。
少し話が逸れましたが、コンサルティング業界の話に戻ります。
さて、コンサルティング業界に転職する際に気になるのは年収ではないでしょうか。年収は、基本的に役職によって決まります。現職の事業会社はマネージャーなど管理職なので、コンサルティング業界でもマネージャーで転職したいという方のご相談を受けることがあります。しかし、マネージャークラスでの転職は難しくなっており、基本的にはあまりお勧めしていません。
20年以上前はコンサルティング業界の人数が少なく、転職時のポジションがマネージャーだったという方の話を耳にします。しかし、昨今では新卒からコンサルティング業界の方も多く、またメーカー出身者の人数も十分であることから、マネージャークラスでの転職は難しくなっています。
また、いきなりマネージャーで転職しても、アナリストポジションの業務への理解が浅いと、チームをマネジメントできずにプロジェクトを炎上させてしまうこともあります。マネージャーの1つ下のポジションで入社し、経験を積んでからマネージャーとして活躍したほうが長期的に見て得することもあります。
当たり前のことですが、コンサルティング業界へ転職する際には、働き方や、働いている人の意識が大きく異なることに注意すべきです。
コンサルタントは時間単位でクライアントから高い報酬を支払っていただくので、どのような形でも成果を出す必要があります。労働時間が長くても、時に土日の時間もフルで使うことになっても成果を出すことに尽力する必要があり、また会社全体としてそのような雰囲気が漂うことも珍しくありません。
プロとしての意識がとても高く、そうした意識のなかで働くことは成長にもつながります。メーカーがプロとしての意識がないというわけではなく、メーカーは幅広い職種があるため仕事に対する考え方も人によって異なります。
最近増えているのは、コンサルティング業界からメーカー側への転職です。メーカー出身で、コンサルティング業界で修行し、またメーカーに戻る方もいます。
例えば、機械加工製品の販売を行うミスミ(ミスミグループ本社)はマッキンゼー出身者をはじめ多くのコンサルタントが転職し、活躍しています。
to C(to Consumer)向けのビジネスを展開する会社も経営企画をはじめコンサルタントの採用が進んでいます。ただし、高年収を払える企業が少ないことから、絶対数としては多くありません。
さて、転職にあたって、メーカー出身者が初歩の初歩でつまづくのは、エクセルやパワーポイントなどの基礎スキルです。しかし、これらは本やネット検索で解決することばかりであるため、ショートカットキーも含めて早いうちから身に付けておくことをおすすめします。
コンサルティング業界に新卒入社した方が当たり前のようにできることを、転職前の段階からできるようになっておくことが望ましいです。
メーカーで働いているがこれから転職して活躍したい、もっと成長したい、年収を上げたいという方は、是非一度STRATEGY:BOOTCAMPにご相談ください。
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