TOP›コンサル業界トピックス›DXコンサル市場の盛り上がりに伴う転職機会の拡大
昨今のビジネストレンドを語る上で、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を欠くことはできないでしょう。
あらゆる業界でデジタルツールの活用を前提とした競争力が求められるようになってきていますが、企業がDXを推進していく際に、多くの企業は自社にDXに明るい人材を持ち合わせていないため、DXに関して専門性を持つDXコンサルティングサービスにアウトソーシングしようとすることが一般的です。昨今はこうしたDX案件数が拡大しており、結果として、人材が必要となりDXコンサルタントへの転職機会が非常に増えてきているわけです。
ここでは、昨今のDXコンサルへの転職の実情について解説します。
近年DXコンサル市場は急拡大しています。2021年7月にIDC Japan株式会社が発表した調査によれば※1、2019年から2020年にかけてデジタル関連ビジネスコンサルティング市場は1年で約3割増加しています。市場規模としては2020年に約1,300億円に達しており、2025年には約5,000億円に達すると推定されています。
DX市場及びDXコンサル市場の拡大に伴い、DX関連ポジションへの転職機会も急増しています。2020年4月から6月にかけてリクルートキャリアに寄せられたDX関連ポジションに対するの新規求人は、コロナ禍にも関わらず19年同期比で約4倍に増加しており、DX人材の需要が大きいことが分かります。※2
DXコンサルへの転職においては、その他の業種に転職する際と同様のリスクや負担が伴いますが、転職した際のアップサイドが大きいことが特徴です。
例えば、給与面では、転職をすることで年収が数百万円レベルで上がるケースも多々あります。とりわけ、日本国内のSIerなどで働かれている人の中には力があるにも関わらず、企業体質上なかなか昇格や給与アップが期待できないという方のお話しを伺います。DXコンサルに転職すれば、自身の実力次第にはなりますが、より直接的に実力や結果に基づいたポジションや給与を手にいれることが可能になります。
また、DXコンサルに転職し活躍すれば、将来的に所属している会社の浮き沈みに影響されにくい安定したキャリアを送ることも可能になります。昨今のDX需要の急拡大により、DXコンサルになることで自身の市場価値を高めることができます。一定程度以上の経験と実力を有するDXコンサルタントは、DXコンサルファームの間でも引く手あまたとなりますし、ポストコンサルキャリアとしては事業会社のCDO(Chief Digital Officer)など経営層に参画するケースもあり、キャリアの幅を広げることが可能です。
業務の内容面においても、より主体的かつデザインシンキングなどの幅広い知見を用いた仕事が可能になります。DXコンサルは常に最新のテクノロジーに触れながら、革新的な顧客体験を自らデザインすることができます。また、全社的な改革に携わるプロジェクトが多いため、ビジネスを根本的に変革できる面白みもあるので、デジタルを用いて企業を改革したいという思いがある方にとっては魅力的だと言えるでしょう。
弊社サービスSTRATEGY:BOOTCAMPではこれまで戦略コンサルへの転職の支援を行ってきましたが、戦略コンサルへの転職と比較してDXコンサルへの転職は、特定の業界での経験や特定のスキルセットを身につけている候補者のみが応募できるため、応募できる層が限定されることが特徴です。一方で、DXプロジェクト数は増加の一途を辿っているため、転職市場は売り手市場になっています。そのため、DXコンサルに挑戦できるプロファイルを持っている人にとってはこの上ない大きなチャンスとなっているのです。
※2 コロナ禍でも求人数4倍の人気、「DX人材」の採用に苦労する企業の特徴
ここではよくあるDXコンサルへの転職パターンについてお話しします。
代表的な職種としては下記のようなものがあります。
①エンジニア・データサイエンティストからの転職
②事業開発からの転職
③DXコンサル以外のコンサルタントからの転職
エンジニアやデータサイエンティストからDXコンサルへ転職する例は非常に多くあります。一般的にSIerなどに勤めていた経験のあるエンジニアは、DXで用いられるデジタルの技術について一定の素養がある、あるいは近しい領域の知識があるためにキャッチアップしやすい傾向にあります。前職よりも主体的な思考が求められる仕事を求めてDXコンサルへ転職する場合が多いです。
具体的な企業の実例としては、富士通、NECなどの大手SIer、富士ソフトや新日鉄住金ソリューションズなどの中堅SIer、アドビ、CINCなどのツールベンダー、サイバーエージェント、電通デジタルなどのデジタルエージェンシー(インターネット系広告代理店)、日本生命、東京海上日動などの保険会社、三菱UFJ銀行や三井住友銀行などの銀行などが挙げられます。
事業開発からDXコンサルへ転職する例もよく見られます。DXコンサルは、新しいテクノロジーを用いてクライアントの組織構造や企業変革の手助けを行います。その際、求められるのはデジタルの知見のみならず、革新的なビジネスモデルや顧客体験を創出するためのビジネス領域の知見も必要になります。事業開発に携わっていた人は、この点においてクライアントのニーズを理解しやすくDXコンサルになる人が多くなっています。
具体的な企業の例としては、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)などの外資系IT事業会社、ソフトバンクや楽天、LINEなどのその他IT系事業会社、①と同様日本生命や東京海上日動などの保険会社、三菱UFJ銀行やSMBCなどの銀行などが挙げられます。
転職例としては、戦略コンサルからDXコンサルに転職するケースや、ITコンサルからDXコンサルに転職するケースが挙げられます。
DXコンサルは新しいテクノロジーを活用して、既存の業務等のデジタル化を行い、新しい価値創出を行います。その際企業における経営課題を見定めること、および課題解決のための戦略策定が求められます。戦略コンサルは企業の経営課題解決にプロフェッショナルであるため、入社後に活躍するケースが多くなっています。
ITコンサルからDXコンサルへ転職する人もいます。前提として、ITコンサルとDXコンサルの違いについて説明すると、前者が既存ビジネスモデルの最適化および効率化が求められるIT戦略を考えるのに対し、後者はビジネスそのものの変革が求められるという点で異なります。ITコンサルは①と同様DXで用いられるデジタル技術に一定の素養がある、あるいは近しい領域の知識があることに加えて、コンサルタントとしての経験もあるため、これまでの専門性を活かしたキャリアチェンジができます。
具体的な企業の例としては、MBB(McKinsey、BCG、Bain)などの戦略コンサルティングファームや、日本IBMや野村総合研究所(NRI)などのIT系コンサルティングファームが挙げられます。
ここでは、DXコンサルと戦略コンサルにおける選考準備の違いについてお話しします。
大前提として、DXコンサルも経営コンサルの一種なので、戦略コンサルの選考で見られる、ケース面接を通じたロジカルシンキングの力やリーダーシップ力は見られることになります。この点においては、戦略コンサルへの選考準備と共通の準備が必要であると言えるでしょう。
尚、戦略コンサルの選考で求められる戦略ケース面接の評価基準については下記の記事で解説しておりますので、ご参照ください。
戦略ケース面接の評価基準とは – 例題を用いて評価基準の一部を解説
上記のロジカルシンキングの力ややリーダーシップの力に加えて、DXコンサルの選考ではデジタル分野での知見や経験が求められてきます。特に、デジタルと一言で言っても様々な技術や領域があるため、汎用的なプロジェクトマネジメント力に加えて、特定のデジタル分野での深い知見を示すことが必要となります。採用面接ではデジタル分野のパートナーとの専門面接があることが一般的で、そこでは知識の深さを評価されます。
但し、ここで重要になるのは、特定の分野における知識の深さに留まりません。パートナーはコンサルタントになる素養があるかどうかを評価するために、候補者が相手に分かりやすく自分自身の専門性を伝えられるかどうかを見ています。
コンサルの実務において、クライアントは案件の内容に対して素人であるケースが一般的です。クライアントは自分たちがよくわかっていない分野をコンサルに依頼するのであり、そうした相手に対して分かりやすく説明する力やコミュニケーション力が求められます。この点においても戦略コンサルの選考に求められるスキルと共通していると言えるでしょう。
弊社運営のSTRATEGY:BOOTCAMPでは、MBB等の戦略コンサルティングファームのデジタル部門への転職を目指される方に対して、MBB等トップ戦略コンサルティングファームで面接官をしていた講師チームが選考準備をサポートするマンツーマンコースを開講しています。
DXコンサルへの転職に興味がある方、自身の経歴で選考を突破することができるか不安な方などは是非一度無料カウンセリングにてご相談ください。
カウンセリングではDXコンサルの魅力や転職選考における落とし穴についてもご紹介できますので、お気軽にお申し込みください。
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