TOP›コンサル業界トピックス›外資系戦略コンサルティングファームの近年の新卒採用の拡大傾向とその背景
外資系戦略コンサルティングファームの新卒採用は急激な拡大を見せています。これは一見すると戦略コンサルを目指す学生にとって大きなチャンスが到来していると見えるかもしれませんが、その背景を理解することで、そのチャンスをモノにする可能性が高まります。
ここでは外資系戦略コンサルティングファームの新卒採用の拡大傾向とその背景についてお話しします。
近年外資系戦略コンサルティングファームの採用数が増えている背景には、国内でコンサルティング市場が拡大していることが挙げられます。
従来は、欧米と比較すると日本企業では戦略検討を社内で行うことを優先することが多く、戦略コンサルティング市場は欧米に比べて、小さい規模で留まっていました。一方で、昨今のグローバル化や技術革新のスピードが高まるにつれ、社内の知見や経験及びリソースで対応することが必ずしも最適解にならないケースが増加してきました。
そのため、刻々と変化するグローバルの情勢に影響を受ける企業の戦略課題に沿った、ベストなチームで検討をするべく、特にグローバルでの先端の知見や経験及びベストな人材を揃えることができる外資系戦略コンサルティングファームへの依頼が高まっています。
上記の戦略コンサルティングファームに対する需要の高まりにおける、近年の例としては、企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の必要性の高まりに伴い、システム開発の外注というスコープだけでなくDXを通じて企業が顧客にどう向き合うか、社員がどう動きを変えるか、と言った企業戦略のコンサルティングサービスの需要が拡大していることも戦略コンサルティング市場の一つの拡大要因となっています。
しかしながら、単純に採用の規模が大きくなったからといって、選考の難易度が易しくなったわけではありません。
各外資系戦略コンサルティングファームは採用基準のレベルを下げてでも採用人数を増やしたいとは考えていないため、採用基準は以前と変わっていないと考えるべきです。
他方、一定の水準を保ったまま採用を増やすためには、今までアプローチをしていたセグメント以外のセグメントの人たちの中から従来の採用基準を満たす人材を見つけ出すということが必要になり、その方向で採用活動も強化されています。
そのため、これまでの主要な新卒受験者層である東京一工早慶の学生たちが単純に合格し易くなったというわけでは決してありません。
では、外資系戦略コンサルティングファームが近年新たに採用活動を強化しているセグメントはどのようなセグメントなのでしょうか。
ここでは大きく分けて二つのセグメントについてご紹介します。
①地方国公立大学
②理系大学院
②海外大学
1つ目は地方国公立大学の新卒学生です。
まず、地方国公立大学においては、文系・理系問わず戦略コンサルティングファームをキャリアとして志向する人が比較して少ない状況がありました。そもそも戦略コンサルティングファームを知らない、あるいは知っていても自身のキャリアには縁遠いものだと、受験を検討したことのない学生や、自身の大学では書類通過することができないだろうと諦めてしまっている学生も多くいたためだと推察されます。
一方で、地方国公立大学の出身者でも戦略コンサルティングファームで活躍されている人もおり、一定以上の水準を持った人材がいるセグメントであることも確かであり、この地方国公立大学の新卒学生へのセグメントへの採用活動が拡大しています。
2つ目は理系大学院の新卒学生です。戦略コンサルティングファームの社員には理系出身者が多く、仮説と検証を繰り返す思考プロセスや、数理処理能力など能力面のフィットがあります。
しかしながら、大学院に進学している理系学生は、特に博士課程ではより顕著ですが、修士課程であっても、所属する研究室の先輩が勤めている企業や、研究室とのコネクションがある企業など、自らの専攻の学びを活かした研究職などの専門職に就職するケースが主流でした。結果として、戦略コンサルタントというキャリアは理系学生にとってはそもそも就職の選択肢として認知されていない、また認知はされていても、興味関心をもって受験に至る人が比較的少ない状態がありました。
従って、採用拡大における有力なセグメントとして、各戦略コンサルティングファームにおいても積極的な採用活動が行われています。
3つ目は海外大学の新卒学生です。これまでもボストンキャリアフォーラムなどで海外大学に留学していた日本人など海外大学採用は行っていましたが、ここでいう新たなターゲットとしては、日本語を母国語としないものの日本語もネイティブレベルで話せるスーパーエリート層のことを指します。
特に近年はアジアにいる優秀な学生が日本オフィスの採用枠で採用されるケースが増加しています。彼らの多くは、母国語に加えて英語と日本語を話せるトライリンガルです。様々な言語力があることも業務遂行上助けにはなりますが、それ以上に、グローバルの多様な環境に挑戦し経験を積んできた人材であるということが、企業のグローバル課題を解決していく戦略コンサルタントとしては強みになります(詳細は「外資系戦略コンサルティングファームに求められる英語力とは」記事を参照)。この点は、日本国内だけで経験を積んできた大学生・大学院生に比べて強みになります。
外資系戦略コンサルティングファームが近年新卒の採用人数を拡大していることは事実ですが、だからといって従来の受験ターゲット層の人たちがより容易に入れるようになったわけではありません。
また、戦略コンサルティングファームの採用について、決まった採用枠があり、応募者の中における相対評価で決まると認識している人がいますが、これは誤った認識です。実際は明確な採用基準に基づいた絶対評価で決められているため、今まで通り募集して今まで通りの受験者層がエントリーしてきても、採用基準を越えられる人数は変わらないと考えられるでしょう。
ですので、対策としては周囲の学生と比べて相対的に自分の立ち位置を判断するのではなく、絶対基準を理解してその基準をベースに自身の達成度を評価することが戦略コンサルティングファームの内定への近道となります。
一方で、新たな採用ターゲットとして挙げられている地方国公立大学や理系大学院の学生や海外大学の学生はこれまで大学の先輩が合格していないからといって諦める必要は全くありません。中にはファーム側からアプローチできておらず案内がきていない学生もいるかと思いますが、戦略コンサルティングファームに関心があるのならば、適切な準備をして挑戦してみることをお勧めします。
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